「今日の表紙絵」より

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今日の表紙絵   №  1        ソメイヨシノ（染井吉野）

                                                                                  　　　　　　2020. 4. 1    福山市 清水ヶ丘公園       

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今日の表紙絵   № ２    コブシ 

                                                                                                   2020. 4. 5    下帝釈峡（神竜湖）駐車場       

下帝釈峡（神竜湖）駐車場

新型コロナウイルス禍が報じられる今日だけど、家でじっとしてばかりいるわけにもいかないので、下帝釈峡（神竜湖周辺）と瑠璃山薬師堂付近を目的にした個人花行動に出かけた。

➀自家用車使用の単独行動   ➁弁当持参で飲食店には入らない   ➂他人に出会っても笑顔の会釈だけ

と、言い訳がましい決まりを作っての決断である。実際に、自宅から自宅までの七時間余に出会ったのは、遊歩道の一部、トンネル補修工事をされていた業者さん一人だけだった。もちろん５メートル以上も離れての「おはようございます。」と 元気な挨拶と 笑顔の会釈だった。相手の方は 右手をちょこんと上げての 笑顔の会釈だった。思わず、「感じがいいなぁ」とほっこりしてしまった。

   写真（上）の植物は〝コブシ〟。日本特産種で、全国の山地の平坦な場所に自生するらしいのだが、近隣で出会うのは街路樹等として植栽されたものが多いようだ。早春の頃から他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせ、心を和ませてくれる。植物観察も終わって 見上げると 今が盛り、そこで１枚 と思ってカメラを向けたら、やっと気が付いたのだった。車が一台もない、人が誰もいないのだ。新型コロナウイルス禍もここまできたかと心配になって、自宅に戻ってから妻にそう説明したら、「暇なのはあんただけということじゃないの」と返されて、「そうか、そういうこともあるのかもしれない。」と思ってしまった。暇なことは確かだが、暇なことに病んでる暇がないのがうれしい。

   ちなみに、近隣の山には、〝コブシ〟と同科同属で酷似の〝タムシバ〟が数多く自生している。見分けるには比べて〝コブシ〟は、➀花数が数段に多い  ➁花（蕾）の基部に一葉が付く（写真下 右下）等がある。この時期『山陽自動車道』で三原市あたりの〝やまなみ〟 を通過するとき、全山〝タムシバ〟の花に覆われ、雪景色でも見るかのように美しい一時がある。 

コブシ（辛夷    拳）   モクレン科  モクレン属

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   今日の表紙絵   № ３       切り株の水滴

                                                                        　　　　　  2020. 4.15    上帝釈峡  断魚渓あたりで  

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今日の表紙絵   № ４     柿の若葉

                                                                                                       2020. 4.27      福山市奈良津町      畑で  

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今日の表紙絵   № ５     メギ（目木）

                                                                            　　　　   2020. ５. ２      天田川沿いを歩く ➀ 

    神石高原町段原から天田川沿いに、往復４時間ほどかけてゆっくり歩いてみました。『➀自家用車による単独行動、➁行動食とお茶持参でお店（コンビニ等）に入らない、➂人に出会っても笑顔の会釈。』は、このご時世、もっともらしい言い訳です。

    今回の表紙絵は、その時、たくさん出会った山野草の中から一種だけ５枚の写真でお届けします。

もう一つのこの写真は、〝ヤマブキ（山吹）〟が平開する前のものです。

「かわいい」と思って撮ったものですが、表現が月並みですね。

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    これから、『天田川を歩く➀』の編集に入ります。ゆっくり楽しみながらやります。何日もかかります。その都度公開します。よろしかったらご覧ください。

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今日の表紙絵   № ６     ヤエヤマブキ（八重山吹）

             七重八重    花は咲けども    山吹の    実の(蓑)ひとつだに    なきぞ悲しき

                                                                                                     2020. ５. ６           ハッとして調べたこと  

上の５枚の写真はすべて、花行動を始めたばなりのものです。野山を歩くことが嬉しくて仕方がなかったのでしょう。

見るもの何でも新しく、撮って撮って撮りまくっていたのでしょう。

何だか他人事のように思い出します。

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今日の表紙絵   № ７     きり花（桐花）

                                                                                                                   　　　　　　　　   2020. ５. 18

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 今日の表紙絵   № ８     モリイバラ（森薔薇）

                                                                                 　　　　　　 2020. 6.   1      天田川沿いを歩く➁

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 今日の表紙絵   № 9     落とし文・落書（らくしょ）

                                                                                  　　　　　　　　2020. 6.  11       だれでしょうね

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今日の表紙絵   № 10     〝ササユリ〟と〝ノアザミ〟

                                                                                 　　　　　　 2020. 6.  21       お目当てと偶然と

参考　☜

今日の表紙絵   № 1１     〝マツバボタン〟

                                                                                　　　　　　  2020. ７.  １       ここで咲きたいか

　６月22日、上帝釈峡と鯉が窪の花行動から帰ってきた時に、自宅玄関前の歩道の隅に〝マツバボタン〟が咲いているのを見つけました。妻に「玄関前にマツバボタンが咲いているよ。」と言ったら、「もうだいぶ前から咲いている。」とそっけなく言われてしまいました。写真➀の右側、縦に中央あたりの赤点が花後の形跡と思われます。その後、気になってそこを通るたびに見るようになりましたが、〝一日花〟らしく翌日には花の姿はなくなっていました。この株の大きさでは、花が毎日咲くということにはならないようです。続いて、6月29日、天田川沿いの花行動から返ってきた時に目にしたのが、写真➁です。一週間ぶりで、花がふたつ付いていました。株も少し大きくなっているようです。それにしても、こんな所によく咲くもんだと思いながら、インターネット等で調べてみました。

　マツバボタン（松葉牡丹）は、スベリヒユ科スベリヒユ属の一種で、ヒメマツバボタンの亜種とされている。花は昼間に開き、夜には閉じる。別名も多く、➀差し芽でも株として増えることから「ネナシ（根無し）」、➁年々種がこぼれて新しい芽を出したりするので「ホロビンソウ（不亡草）」。➂その他「日照り草」「爪切り草」等呼ばれたりする。「ホロビン」とは「ホロバン」、漢字で「亡ばん」、つまり「亡ばない」草、いつまでも絶えない草、生命力が強い草ということでしょう。なんだか「ホロビン」は、備後弁のような感じがします。

　南アメリカ原産の一年草。アルゼンチン、ブラジル南部、ウルグアイに自然分布する。葉は多肉で、高温と乾燥に対して非常に強い。世話のほとんど不要なくらい丈夫である。種子は非常に細かく、こぼれ種でもよく繁殖する。開花期は6～9月頃。美しい花を観賞するためによく栽培される。花弁の色は白、黄、赤、オレンジ、ピンク等があり、八重咲の品種も作られている。日当たりと水はけがよく多湿にならない場所であれば、ほとんど手入れの必要もなく、栽培は容易である。場所によってはこぼれダネで毎年自然に発芽し生育するようになる。

のようなことでした。この道は、古くなったコールタールの割れ目に草などもよく生えてくる場所です。玄関前ということで、早め早めに割と丁寧に草取りをしたりします。自宅の庭に〝マツバボタン〟を植えたことはないし、ご近所の庭を覗いてみるわけにもいかないし、どこをどう通ってここにたどり着いたのかも分かりません。そんな〝マツバボタン〟に「何もこんなところで咲かなくても。」と言うと、笑ってばかりで結構楽しそうにしています。『ここで咲きたい花の命』なのでしょう。

　で、さてさて、ここは、子どもたちの通学路にもなっている場所です。踏まれはしないかと、気になって仕方がありません。

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 今日の表紙絵   № １２     〝ウチョウラン〟と〝ヒナラン〟

                                                                                  　　　　　　　　　2020. ７.   ９       乱獲と盗掘

　７月２日、梅雨の合間にと思って、三段峡に行ってきました。九州から西・東日本を襲う記録的な豪雨による被害が始まる前のことです。何とも言えず、ご冥福をお祈りすると共に、一日も早い収束と復興を心から願うばかりです。

　早朝８時から花行動開始、三段峡正面口には人影もなしといったところです。目的は、ヤマアジサイの花の色合いを楽しみそれを映像に撮ることでしたが、最盛期に数日遅れた感があり以前当地で出会った印象とは少し異なっていました。それでもたっぶり時間をかけてゆったりと向かい合うことが出来て幸いでした。で、今回はそれとは別に、かなりな貴重種と言われるようになった〝ウチョウラン（羽蝶蘭）〟と〝ヒナラン（雛蘭）〟に偶然出会うことが出来ました。図鑑等によると、両種とも『　乱獲が多発しており、近くで見ることがほとんど出来なくなっている』らしいのですが、今回はまさに場所は異なるが目前の岩壁に当たり前のように咲いていたので驚いてしまいました。〝ウチョウラン〟は数年前に黒淵の渡船上から望遠レンズで捉えたことがあり、〝ヒナラン〟は初めての出会いだったが図鑑上でなんとなく知っていて、なんとなく「あれれ、これは〝ヒナランだなぁ〟。」と声に出してしまったほどです。「行動しなければ何にも出会えない」、いや、同じようなことだけど「行動すれば何かに出会える」ということでしょうか。

　先に会った〝ウチョウラン〟をたっぷり時間をかけて楽しんだ後の下山中に、気になりだしたことがありました。「あのこ達大丈夫かな。〝ウチョウラン〟は見るからにまだ幼苗で花の咲き始め、ポツンと一株だけどまわりに他の花もなく淡紅紫色の花弁が目立ちすぎる。誰かに盗掘されないだろうか。なにせ目前だからなぁ」と落ち着かないのです。

　と、途中から、他の登山者が登って来るのに出会うようになりました。そのうち下山している私に、「ウチョウランはありましたか。」と２組５人が訪ねるのでした。「エッ、エー？　なんだかかわいい花がありましたけど。」と答えると、ある方は「・・・それ楽しみにしてきたんです。まだあるのね。うれしい。」と喜んでいるではありませんか。なんだか、もう愛好家や同好者の間で話題になっていたようです。花を愛でる人が多いということは嬉しいことですが、それ以上にわずかな愚人の心が気がかりです。どこか人の手の届かない所に移植できないものかと、つまらないことも考えたりしました。花は「ここで咲きたい花の命」なのにね。

　　　　　　　　　詩　の　紹　介　（/　行替え　　///　一行開け）　

　のはらで　さきたい　/　久保田昭三　///　　おにわに　うつすの　/　こまります　///　はちに　うえるのも　/　いけません　///　あなたの　ほうから　/　あなたの　ほうから　///　こらへ　はなみに　/　おいでなさいな　///　のはらで　さきたい　/　くさの　はなです　//

人間は、本当につまらないことを考えたりします。

　で、また余談になりますが、「乱獲」と「盗掘」という言葉が気になって、広辞苑で調べてみました。

　「乱獲」　魚・鳥獣をみだりにとること。

　「盗掘」　公有地や他人所有の土地の鉱物・埋蔵物等を、その権利もなく、また許可も得ずに採掘すること。

　「乱獲」は、決まり事に従って捕（採）ってもよいことになっている海産資源などを、違反するということでもなく捕（採）り過ぎたりして資源が枯渇する恐れが生じた場合によく耳にします。決まり事に違反した場合にも使うのかもしれません。「盗掘」は、権利もなく許可も得ずなので盗むことです。困ったことに、そういう人たちに盗むという意識はないようです。そればかりか、独占と自慢の世界を楽しんでいるようです。まわりの人も羨ましがって「増えたら、ちょっと分けて頂戴。」なんて言ったりして！！。・・・・・いろんな顔がちらちらしてきて、これ以上は書けなくなってしまいました。　　

　二種とも観察中に人がいなかったため、ゆっくり向かい合ったのですが、その割に写真はいまいちというところです。いつもそうです。

・・・・・・　参考　☜　・・・・・・

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今日の表紙絵   № １３     〝カンザシギボウシ〟（簪擬宝珠）

                                                         　　　　  2020. ７. １４   「ここで咲きたい花の命」たち    

　７月１２日、上帝釈峡と天田川沿いに行ってきました。中国地方から集中豪雨が東に移動したわずかな隙を狙っての花行動です。身の危険も思わないではいられないこの時期ですが、もう気になって気になって仕方がないことがあって、じっとなんかしていられなかったからです。

　なぜって、６月の花行動の時のこと、➀上帝釈峡帝釈川の一画で〝カンザシギボウシ〟の蕾がぷっくりと膨らんでいる姿を確認していたからです。今まで何度か出会ったことがある株です。「よしよし、今年は久しぶりに〝カンザシギボウシ〟の花に会える。待ってて、７月に来るよ。」とわくわくしていたからです。➁で、今度は後日、天田川で花の観察をしながらゆったりと歩いていた時のこと、「なんじゃこりゃー。」と思わずうずくまって崖下を覗き込んでしまったのです。〝カンザシギボウシ〟らしきものが大群生しているのを発見してしまったのです。「この蕾の形、間違いないと思う。帝釈峡にしかないと思っていたのに。だったら、大発見。確認は７月になってから。楽しみだぁ。」と押さえきれないほどの気持ちのたかぶりを覚えていたからです。それなのに、７月に入ってから『九州、西・東日本集中豪雨』に襲われたので、帝釈川や天田川にも被害が出たかもしれないと気が気ではなくなっていたのでした。帝釈川のものは、水に浸かり流されたりしていないか、天田川のものは、がけ崩れした土砂に埋もれていないかと考えると、じっとなんかしていられなくなったのでした。

　どうか写真を見てください。どの株も安泰でどの蕾も美しく咲きそろっていました。帝釈川のものは、あたりの状況から少なくとも一時は流水に覆われていたと思われます。多少、葉に傷みが認められます。それでもそれくらいのことでは動じない生き伸びようとする術を持っているのだろうと思わされました。強いです。

　名は、花が花茎の上部にまとまって付き、花が咲くに従ってその重みでやや垂れ下がる様子を、花飾りの簪(かんざし)に見立てて付けられたものです。なんときれいな、よい名前と思います。

　〝カンザシギボウシ〟は、本州兵庫県以西と九州に分布し、山地の湿った岩場や渓流沿いの石灰岩地にだけ生育する希少種です。各県の絶滅危惧種にも指定されています。こんなものに出会ってしまうと、伝えないではいられない気持ちになります。半面、希少種・絶滅危惧種ゆえに安易に伝えることは避けるべきとも聞きます。発信するのにも勇気がいります。胸がドキドキします。

「ここで咲きたい花の命」たちです。

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今日の表紙絵   № １４     〝オグラセンノウ〟（小倉仙翁）

                                                         　　　　  2020. ７. ２２   「ここで咲きたい花の命」たち    

↑　写真上　2020.07012　　写真下　2008.07.21　↓

　７月12日、鯉が窪湿原の観察に出かけた際、園内堰堤の所で鯉に餌をやっている時に、巡回中の管理人さんに出会いました。いわく、「今年一番のオグラセンノウが咲いていましたよ。少し遅いですね。いい時に来られましたね。２号橋を渡って右に曲がって少しだけ登って、・・・・・コースどおり左に進んではいけませんよ。右ですよ。・・・望遠レンズでないと撮れませんよ。」ということで撮影したものが、上の１枚の写真です。２０数枚の【スポーツ連写】で撮影したもののうちなんとかピントが合っている４枚の、その中の１枚ということになります。使い始めて１４年目になる愛用のカメラです。まだまだ引退してもらうわけにはいかないようです。

　下の２枚の写真は、2008.07.21に撮影したものです。当地でです。もう１２年も前になります。その後も１、２回は出会った記憶があるのでパソコンのメモリーを探してみましたが出てきません。うまく隠れているのでしょう。

　オグラセンノウは、かなりな貴重種ということは早くから知っていました。ここで改めてインターネットや図鑑等を調べてみました。その内容は、

のようなことです。

〝オグラセンノウ〟も含めて、７月１２日に観察したものをもとに、ホームページ『鯉が窪の植物 ７月』として編集中です。よろしかったらご覧ください。また、７月３０日（木）には、NHK文化センター福山の『野山の植物を楽しむ』で鯉が窪を訪れる予定になっています。この時には、〝オグラセンノウ〟にもたっふり時間をかけて向かい合いたいと思います。

　３月以来、コロナ禍の影響で人にはほとんど会っていません。やめられない花行動もずっと単独でした。今回、多くの同行者と共に楽しめることがうれしくて仕方がありません。

「ここで咲きたい花の命」です。

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今日の表紙絵   № １５     〝ギンバイソウ〟（銀梅草）

                                                 　　　　      2020. ７. ２9   「会いたい」と思ったら行きます   

　〝ギンバイソウ〟は、全開すると豪華な感じで、出会うと嬉しくなる花です。各所で何度か出会ったことはありますがいつもそう思います。帝釈峡はよく訪れる所ですが、なぜか当地で開花した花に出会うことがなかったのです。今年も　7/12に訪れた時にはまだ蕾の状態でした。

　上の写真は、Facebookで知り得たある方の「帝釈峡に行ってきました。ギンバイソウも咲いていました。」という情報ときれいな写真に触発され、「逢いたい。今しかない。」と翌日訪れた時のものです。

　7/27　早朝、小雨降る帝釈川沿いの樹林下。気が付けば、服もカメラもじんわりと濡れていました。

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今日の表紙絵   № １６     〝ヘクソカズラ〟（屁糞葛）

                                                      　 　　　　　2020. ８. ６　   　そりゃあんまり酷すぎる    

　上８枚の写真は、３種類あるがどれも【アカネ科　ヘクソカズラ属】の植物でよく似ています。それらを分けないという説もあり総じていえば〝ヘクソカズラ（屁糞葛）〟ということになるようです。

　〝ヘクソカズラ（屁糞葛）〟これじゃ、あんまり酷すぎます。〝サオトメバナ〟〝サオトメカズラ〟〝ヤイトバナ〟、俗に言われる呼び名のなんと優しく素直なことだろう。そのどれかでいいと思います。今からでも変えればよいと思うのです。「なんと、昔は〝ヘクソカズラ〟と言っていたんだって。ひどいのう。」と笑えるようになった方がいいと思うのです。実際、同属で酷似する、➀『花冠の筒状部分が長く、花冠の裂片は明確で短く、葉は概ね長心形をしている。』ものを〝ツツナガヤイトバナ〟とし、➁『海岸に近い所に生え葉が厚くて光沢があり毛が無い。』ものを〝ハマサオトメカズラ〟として分類している。さすが近年になって細分して区別する必要になった時に、〝ツツナガヘクソカズラ〟〝ハマヘクソカズラ〟とは出来なかったのでしょう。その感覚の進化が素晴らしいことだと思います。進化しきれないで、「面白い名前じゃ」、「可愛そうな名前じゃ」と言っている場合ではありません。

　数年前に、生まれてきた我が子に『悪魔』という名前を付けて役所に届けたら、受理を保留されたというニュースがありました。名前を付けるのは親の権利（自由）だとする主張と、それはなにがなんでも受け入れられないという思いが交錯したものでした。面白がってはいられません。役所の最初の担当者は驚いたことでしょう。これを安易に受理しない感覚が素晴らしいことだと思いました。植物名も同じことです。植物をこよなく愛する人が〝ヘクソカズラ〟などと命名するはずがないのです。こんな名前なんて変えればいいことなんです。

　先日、お盆も近いことだからとお墓掃除に行ってきました。すると、近くの法面に〝ママコノシリヌグイ（継子の尻拭い）〟が大繁殖していました。こんなのが植物名でいいのかと胸が苦しくなります。調べてみたら、『和名は、この草の刺だらけの茎や葉から、憎い継子の尻をこの草で拭くという想像から来ている。』というのです。その想像がすでに異常です。それもわざわざ『憎い』とまで付けなくてもいいのにと思います。継子は憎いという先入観からしてすでに間違っているのです。もうなにおかいわんやです。面白がってはいられません。本種は、他の草などに寄りかかりながら成長するために、茎などに棘を付けるよう進化したのです。生き残るための戦略なのでしょう。だから、別名【トゲソバ（刺蕎麦）】です。すごく理にかなっています。また、花は枝先に１０個ほと集まって咲きます。基部が白色で先端が淡紅色のかわいい花です。そうなんです。こんな名前なんて変えればいいことなんです。

　ああそうそう、変えればいいじゃなくて、変えなければいけないでした。

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 今日の表紙絵   № １７   　 　 〝ママコノシリヌグイ〟（継子の尻拭い）

                                              　 　   　2020. ８. １６　   　そりゃあんまり酷すぎる　 Ⅱ   

　今年の花行動でもすでに〝ママコノシリヌグイ〟に出会っています。それで、どれだけ茎や葉の刺が鋭く痛いのか試しに触ってみました。驚きました。ぜんぜん痛くありません。確かに触った手にまといついて離れないような感じは残りますが傷みも不快感もありません。そこで今度は、親指と人差し指で茎をはさんで、茎を押し上げるようにしてみました。驚きました。スルスルスルーッとコロでも付いているのかと思うほど滑るようにして動くのでした。細い刺先がむしろクッションのようになってスムースに動くのでした。茎が先に伸びることに抵抗はないようです。そして今度はまた、そのまま茎を下に引っ張ってみました。驚きました。下向きの押さえられていた刺先が指に引っかかって動きもしないのです。しかも痛いという感触などないのです。自身の重みで下にずり落ちないように他のものにからみ支えているのです。驚きました。この植物はそのように進化することを選んだのだと思うのです。長い歳月をかけて、相手に巻き付いたり攻撃したりするのでもなく、他のものに寄りかかったりまた共生したりして生きていく方法を選んだのです。その健気さを思わないではいられません。

　みなさんも本種に出会ったら触ってみたらいいと思います。優しくですよ。花もかわいいし、心優しい植物だということがわかると思います。〝ママコノシリヌグイ〟は、「継子は憎い」という先入観と事実を知ろうとしない無知によって付けられた名前です。別名はトゲソバです。

　〝ヘクソカズラ〟を見ると、名前そのものを哀れみ、またあざ笑い眉をひそめたりする人がいます。そういう人たちの稚拙さこそ哀れですが、それはさしおいたとしても、他人を傷つけることはありません。別名〝サオトメカズラ〟だけが気の毒で仕方がありません。一方、〝ママコノシリヌグイ〟は、そう言って哀れみ、またあざ笑い眉をひそめたりする人とそれを聞いて傷つく人がいます。哀れみ、またあざ笑い眉をひそめる人も、傷つく人も、あっていいわけがありません。どちらも哀れです。哀れの質は違いますが・・・。まだまだ人間は、ママコノシリヌグイ改めトゲソバほど進化していません。

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今日の表紙絵   № １８     〝オヒシバ〟（雄日芝）

                                                  　　　2020. ８. ２６　   　私の〝スモウグサ（相撲草）〟   

　今年８月の私の花行動は、7/31、岡山・鯉が窪から　❀8/02、長野・木曽駒ケ岳　❀/08、三段峡　❀/12、天田川沿い　❀/13、愛媛・東赤石山　❀/15、上帝釈峡、鯉が窪、天田川　❀19岩樋山、道後山　❀/20下帝釈峡、鯉が窪　❀/23鳥取・大山と大忙しでした。楽しんで編集していたホームページ『私の植物手帳』も追いつかないほどです。

　それで思い出して、気になっていた畑に行ってみるともう草ぼうぼうで驚いてしまいました。日中は猛暑が続いているので、数日間　AM 5:30～7:30　と　PM 4:30～6:30　太陽がいない間に草取りをすることを決心しました。そこで見つけたのが〝オヒシバ〟です。別に珍しい植物というものでもありません。むしろ、うっかりしているうちに強い根を張りはびこってしまう、耕作者の厄介者です。思い出したことがありました。

　子どもの頃、この草を使って次のようにして遊んでいました。ご存じの方も多いと思いますが・・・・、

　➀オヒシバの上の部分の花柄と花穂を付けてていねいに引き抜く（ちぎる）、➁花穂部分と花柄を使って片結びにする、➂二本作ってそれぞれ結び目をすこしゆるめる、➃その結び目に相手の花柄の先を互いに差し込む、➄「見合って、見合って」と互いにゆっくり引き合った後に「はっけよぃ、のこった」で引っ張り合う、絶妙な力加減でです、⑥花穂の部分がちぎれた方が負けで、勝った方は同じものを使って次々と行い連勝を競い合う。

といったことです。

　私は、若乃花（初代）でした。若乃花が好きで好きで大好きでした。どんな遊びをしていても時間が来ると家に帰ってラジオの相撲放送を聞いていました。健ちゃんが栃錦で、守君が千代の山でした。三人はいつも一緒でした。両横綱が、当時大関だった若乃花の大きな壁になっていた時代でした。若乃花が千代の山に負けると悔しくて守君と口を利かないほどでした。でも、三人はいつも一緒でした。

　夕方、小学校６年生の孫娘が帰ってきたら勝負しようと思っています。私は貴景勝で、孫娘は朝乃山になると思います。あまりムキにならないようにしたいと思います。本場所では貴景勝に勝ってもらいたいが、ここでは朝乃山に勝ってもらった方がいいかもしれません。五人いる孫たちの一番末っ子。眼の中に入れても痛くありません。

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今日の表紙絵   № １９     〝アケボノシュスラン〟（曙繻子蘭）

                                                　 　 　　2020.  ９.  ９　   　〝夏の終わりを感じる花〟

　台風１０号が通過したので、昨日　庄原市〝吾妻山〟に行ってきました。途中の路上では〝オミナエシ〟や〝ヒゴタイ〟を観察しながら、現地に着いては〝マツムシソウ〟〝ミゾソバ〟〝スイレン〟〝アケボノソウ〟〝キセルアザミ〟〝ツリガネニンジン〟〝イヨフウロ〟〝アキノキリンソウ〟〝ヤマジノホトトギス〟〝ホソバノヤマハハコ〟等々との出会いを楽しみながらのゆっくり登山でした。山頂まで1.3㎞を撮影しながら２時間かけての花行動なので、全然疲れることはありません。のんきなものです。贅沢です。

　下山中のこと。大膳原分岐に近い林内で二人の男性がカメラを三脚に据えて何やら撮影していました。近づいてみると〝アケボノシュスラン（曙繻子蘭）〟でした。自身２度目の出会いだが、この人たちがいたことは幸運でした。いなかったら多分見過ごしていたと思います。

　名は、花の色を白々と明ける空の色に、ビロード状の光沢のある葉を布の繻子に見立ててのことです。山地の林内に生育するが個体数としては多くはないものです。美しい花だが意外と目立たないので見つけられないだけなのかも知れません。林内、周りが繁り過ぎて日当たりが悪くなると、群生はするが花を付ける株は少なくなるようです。今回も１００株はあろうかと思われる大群生ですが、花芽が付いていたのは数株でした。図鑑等の写真ではもう少し花数も多く開花したものが載っています。この花は『夏の終わりを告げる花』とも言われています。来年は、８月末頃再訪したいと考えています。

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   今日の表紙絵   № ２０     〝ミヤマウズラ〟（深山鶉）

                                                　 　 　　2020.  ９.  １９　 　〝忽然(こつぜん)と消える〟  

　上写真➀は、今年8/15に鯉が窪を訪れた時に出会ったものです。「これは〝ミヤマウズラ〟かもしれないぞ。開花前のものに出会ったことはないが、そうに違いない。」とドキドキしながら撮影したものです。と同時に、こんな所で開花したら〝盗掘〟にあってしまうかもしれないと、心配で心配でたまらなくなっていました。だから、その５日後の  8/20、写真➁。居ても立ってもいられない気持ちで再訪し、存在することを確認して撮影したものです。少しだけ生育していることが分かります。だからと言って安心ということにはならず、写真を掲載することを躊躇しながらも『鯉が窪の植物　８月』に掲載したところです。

　次に訪れたのは、9/03のことです。その場にたどり着いて唖然としました。何度も何度も近隣を探し回りました。でも、ないのです。この２週間の間に消えたのです。その痕跡すらありません。また、9/15に訪れた時にも記憶をたどってその場をもう一度探しましたが、ありませんでした。心配していたことが心配していたとおりになってしまいました。

　盗掘以外が考えられるでしょうか。だれが、どんな気持ちでと考えると恐ろしくなります。「ここで咲きたい花の命」をどうしょうというのでしょうか。考えると疲れてしまいます。

　写真➂は、８年前に当地近隣で出会って撮影していたものです。こんなに可愛い、面白い、ユニークな花、出会うと嬉しくなる花。絶滅危惧種。それを盗掘してどうしようと思ているのかしら。もっともっと多くの人が楽しめたらよかったのにと、残念で仕方がありません。

　本当に疲れます。

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 今日の表紙絵   № ２１     〝ヒガンバナ〟（彼岸花）

                                                　 　 　　　　　　　2020.  ９.  ２９　 　〝命を燃やす花〟

　毎年この時期になると〝ヒガンバナ〟が見たくなって、あちらこちらに出かけることにしています。今年は福山市加茂町から山野町に向かう道路から見える群落がある所に行きました。

　写真上二枚は群落の中の部分を撮影したものです。鮮やかな紅朱色がきれいでした。写真下左は群落から離れた所に咲いていました。淡紅色で白に近づいているのかしらと思いながら撮影したものです。

詩の紹介

　ひがんばな　/　みずかみ　かずよ　　　///　　ひがんばなは　/　かわもみもはぎとって　/　むきだしの　/　こころで　/　たぎります　　//　　毒の花よ　　//　　きらわれても　/　きらわれても　べんかいもせず　/　ひたすら　/　いのちをもやします　　//　　あいしています　/　あいしています　/　せんも　/　まんも　/　さけんでも　/　とどきません　　//　　ひがんばなは　/　ぎょうぎょうしいようでも　/　かなしいはなです　/　さみしいはなです

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 今日の表紙絵   № ２２     〝ハナカタバミ〟（花片喰）

                                                　 　 　　　　　　　2020.  10.  11　 　〝困っています〟

　写真はすべて〝ハナカタバミ〟です。➀～➄は、今日（2020.10.11）撮影したものです。自身の畑の一画〝サクランボ〟や〝ウメ〟を植えている根元あたりに生えていたものです。この繁殖ぶりに困っています。困っているけど、花はきれいだしかわいいし、撮影しだすといくらでも撮ってしまいます。カタバミ属の中では一番華やかで美しい花だと言われます。これを畑の邪魔物扱いにするには、ちょっと忍びない気になります。

　それでも。じつは、一昨年に思い切って、この辺りを他の草といっしょにかなり深く掘りこみながら草取りをしてきれいにしました。ところがどうでしょう。気が付いてみたらこの有様です。以前より他の草があまり生えなくなり少なくなったのはよかったのですが、この〝ハナカタバミ〟だけは元気に再生し他を寄せ付けず、かつその生育域をより広範囲にしてしまったのです。イノシシ避けのフェンスの外まで出てきています。何と言うことでしょう。この生命力には驚かされてしまいます。

　と、思い出したことがありました。

　写真⑥は、昨年（2019.11.11）に撮影していたものです。野菜畑をよくよく耕してから植えたはずの〝ハクサイ（白菜）〟の側から、〝ホトケノザ〟や〝ハコベ〟等の春を待つ草の幼苗といっしょに〝ハナカタバミ〟が芽を出し、ついには花期（９～１０月）を過ぎても花を咲かせていたものです。それが数ヵ所に点々とあるので驚きます。ハクサイの収穫には少し早いし、咲いている〝ハナカタバミ〟を引き抜くのはかわいそうだし、そのまま放置しておきました。〝ハクサイ〟と〝ハナカタバミ〟が仲良く共生する畑というのも、いかがなものかと思われます。

　写真⑦は、同（2019.12.20）に撮影していたものです。この時期〝ハナカタバミ〟はさすがに花は終わっていて葉だけが生えていました。〝ハクサイ〟の方は固くギュッとしまり収穫できる時期になったようです。そこで〝ハナカタバミ〟の根がどのようになっているのか気になっていて、スコップを深く丁寧に差し込んで掘り上げたものです。

　この紡錘形の塊茎によって増えるのだろうということが今さらながらに分かったということでした。放置していれば群生するし、葉や花を引き抜けば塊茎は土の中に残って増え太ります。耕せば耕すほど拡散するので思いもしない所から芽を出します。それがまた可愛いから、本当に困っています。

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今日の表紙絵   № ２3     〝ルリタテハ〟（瑠璃立羽）の幼虫

                                                　 　 　　　　　　　　　2020.  10.  17　 　支離滅裂の不快

　タイワンホトトギス（台湾杜鵑）。台湾ではごく普通に見られるホトトギス属で、日本でも沖縄県の西表島に分布し、水が滴るような場所に自生するそうです。ところが、やや乾燥した環境にも耐えられる性質を持っていて、観賞用に栽培もされるようになったらしいのです。家の庭や公園の花壇等に植えられているのを見かけることがあります。

　写真は自宅庭のものです。これは、2007年に撮影したものですから、現在あるものは   13年以上も前から我が家の庭で、命をつないできたものということになります。ふだんはさほど気にもとまらないのですが、それでも芽を出し、茎を伸ばして葉を付け、蕾を付け、開花してと、折々にそれぞれの季節を楽しませてくれたように思います。

　現在庭にあるタイワンホトトギスは、全体として帯状に広がりを見せているが、写真➀のようには密生せず５～10数本がひとかたまりの小群落となり、多少前後にも列を乱しながら点々とつながているという状態になっています。

　と、ある日のことです。ひとつの小群落に異変があることを見つけました。数本の茎の葉が何者かにちぎられたようになっているのです。（写真➁）これはおかしいぞと目を凝らして見つけたのが（写真➂）、５匹の〝何かの幼虫らしきもの〟でした。きれいな模様ではあるがこの毒々しい色、槍の穂先を思わせるいく本もの角、さらにその先の針状の刺、見るからに痛そうで、こんなものに刺されたら大変なことになると震え上がってしまいました。

　それで思い出すのが、柿の木の葉に付くイラガ（刺蛾）の幼虫のことです。かつて、これには３度ほど刺されたことがあります。それらは、見つけた一匹をしがみついている葉から離そうとして恐る恐るピンセットを近づけていたら、別の葉に付いていたものに手の甲が当たったりして、やっちゃったーとなってしまうのでした。イラガは漢字名のとおりで、色はきれいな緑ですがよく似た鋭い刺があり、刺されると別の不快を伴う痛さと半端ではない痒（かゆ）みに襲われます。それが数時間続くのですからたまりません。そのうち、なんだか本当に気分も悪くなるほどです。

　というわけで、ここは家族が通る所だし、たまに草取りもする所です。タイワンホトトギスの為にも、この〝何かの幼虫らしきもの〟をこのまま放置するわけにはいかなくて、駆除することにしました。５匹ともピンセットで潰し気味に挟んではビニール袋に入れ、それをまた紙袋に収めて処分を終わりました。

　それで、後で何だか気にかけてしまうのが、いけないのです。インターネットで【ホトトギス　虫】と検索してみました。すると、写真も添付されて、[庭のホトトギスに毒々しい毛虫が無数いました。・・・花まで食べているらしきこの虫は、タテハチョウ科のルリタテハの幼虫です。いかにも危険そうな外見ですが、毒はありません。トゲトゲもまったくの見かけ倒しで、触ってみると意外と柔らかくて痛くも痒くもありません。]と記されていてびっくりしてしまいました。あの姿（写真➂）で毒もなく痛くも痒くもないのです。ルリタテハの幼虫は、攻撃してくる相手に痛手を負わせるのではなく、相手を近づけない戦略で身を守ろうとしたのでしょう。

　そんなものを処分までしなければよかったかなぁとか、いやいやタイワンホトトギスのためにはそれでよかったのだとか、知らなかったことなので仕方がないと、もう思うことが支離滅裂てす。どの方向であれ、心は自分の行為を正当化しようとする思いに蹂躙（じゅうりん）されています。じつに、不快です。

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今日の表紙絵   № 24     〝ネギ畑で見つけた可愛い奴〟

                                                　 　 　　　　　2020.  10.  26　 　今年で三年目になります

　一昨年の  11月末頃のことです。ねぎ畑が草ぼうぼうになっていたので、ねぎが折れないように注意しながら草取りや土寄せをしていました。すると、今までに見た記憶がない植物があるのに気が付きました。念のためにその株だけは残しておいて、数日後に撮影したものが写真➀です。

　その後見つかった数株（写真➁）と共に観察を続けることにしました。今まで出会った植物の印象からいうと〝ヌマダイコン〟や〝オカダイコン〟に似ているのではないかと思ったのですが、インターネットや手持ちの図鑑で調べてみてもそれとは明らかに異なり、どうしても同定には至らなかったのでした。　

　写真➃➄は昨年のものです。➃は、10月になって〝エンドウ〟を植える準備のために草取りをしている時に見つけました。たぶん昨年できた種がうまく発芽したのだろうと思います。この年には、➄のようにたくさんの株が花を咲かせました。草取りをするときも、〝このこ〟だけは抜き取らないように気を付けてやりました。➃と➄の比較から、花の最盛期は 12月の中頃からということが分かります。

　写真⑥⑦は、今年のものです。 9月中頃に気づいた時（⑥）には、すでに花をいくつか付けていました。

　まだ名前が分かりません。どなたか教えてください。

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今日の表紙絵   № 25     また〝ハナカタバミ（花片喰）〟

                                                　 　　　　 　　　　　2020.  11.  08　　〝困っていません〟

　『今日の表紙絵』№22（10/11）に、〝ハナカタバミ（花片喰）〟〝困っています〟と題して載せましたが、『俺、本当に困っているかな』との自問が起こり、結果よくよく考えて、別に『困っていません』と結論付けました。それで、それを説明（証明）するために 11/05 自身の畑で撮影取材を行いました。写真はすべて、その時のものです。

　写真➀は、サクランボの木の下あたりにあったものが、イノシシ用の柵を乗り越えて進出してきたものです。花期は７～10月とされていますが、日当たりよい適度な水分がある場所であれば、厳冬期下以外では開花するようです。しかし、前号の同じ場所で撮影した写真と比べてみると、花後の萼が数多く目立つようになり、開花している花数や新たな蕾も少なくなっていて、休眠期を迎えているのも確かなようです。ここで困ったことは何もないようです。

　写真➁➂は、ウメの木の下に群生しているものです。私の足が踏み込むことのない木の根元や木から少し離れた所に小さく群生しています。この辺りのものは、日陰になって日照時間が短い所に生育しているためか、写真➀のものとは異なり深く濃い色合いを見せてくれます。このウメの木は、苗木から十年に満たない「南高梅」の若木ですが、今年は何だか知らないが大粒の果実が大量に収穫できて驚いたりしたものです。剪定や収穫作業の邪魔になるでもないし木の生育に影響があるとも思えないし、ここでも困ったことは何もないようです。

　写真➃➄⑥は、昨年同様同箇所に〝ハクサイ〟を植えた所に咲いているものです。昨年冬の収穫後と今年の定植前にしっかり耕したのですが、〝ハクサイ〟の苗を植えた後に他の草といっしょに生えてきたようです。何回かした草取りでは、〝ハナカタバミ〟は抜き取る気になれず見逃されていたようです。その時、何も深く考えていたわけではないが、気持としてそう動いたのだろうと人ごとのように思います。もう〝ハクサイ〟もギュッと引き締まってきています。早生と晩生を十株ずつ植えています。そろそろ早生から一株ずつ一株ずつ感謝の気持ちを込めて収穫しようと考えています。前回のように【〝ハクサイ〟と〝ハナカタバミ〟が仲良く共生する畑というのも、いかがなものかと思われます。】などと思わなければいいことなのです。ここでも困ったことは何もないようです。

　写真⑦➇は、高さ２m以上もある法面（石垣）の上にある畑地の〝ジャガイモ〟を植えている所の中に、今年初めて２箇所に芽を出してきたものです。⑦は花後を示す痕跡（萼だけになったもの）もなく開き始める蕾が準備されており、➇等は「まだまだこれから咲くよ」とばかりに、６、７月の頃を思わせる勢いすら感じさせてくれます。つまり、この時期でまだ幼苗なのです。で、よく分からないのは、〝このこ〟たちがどうやってここにやってきたかということです。図鑑等によれば、「紡錘形の塊茎によって増える」とありますが、塊茎が飛んでくるはずもないし不思議でなりません。〝ジャガイモ〟も見事に茎を伸ばし葉を広げて順調に育っているようです。これがあるからと言って〝ジャガイモ〟に影響があるとは思えないし、農作業の邪魔にもならないし、何といっても可愛いし、今ここで引き抜く気持ちにはなれません。どう考えてみても、ここでも困ったことは何もないようです。

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今日の表紙絵   № 26     〝マルバルコウ（丸葉縷紅）〟

                                                　 　　　　 　　　　　2020.  11.  17　　　もうすぐ冬ですよ

　マルバルコウ（丸葉縷紅）　ヒルガオ科 サツマイモ属に分類される一年草。ルコウソウの仲間で葉が丸いことから〝マルバルコウソウ〟と表記される場合もあります。道端や荒地、畑地等いたるところに生育します。花期は８～10月。蔓性植物で、さまざまなものにからまりながら長さ3mほどまで伸びます。熱帯アメリカ原産の帰化植物ですが、日本の気候にも適しているらしく繁殖力も強く、最盛期にはまわりのものを覆い隠すほど繁ります。写真➀はもう 13年も前に撮影していたもの。（当時の私にとっては珍しいもので、夢中で撮影したことを思い出します。）で、花の最盛期は過ぎている頃なのに、〝ススキ類〟や〝クズ〟等の上にまで進出していて、その繁殖ぶりを計り知ることが出来ます。写真➁はその部分です。花とすでに結実し熟しきった果実とが同居しています。調べた（実験した）わけではないのですが、花期も長いので条件さえ合えば、この果実の種子から同年中に発芽するのではないかと思われます。写真➂は今年の９月、お墓掃除に行った時のものです。朱赤の花色が美しく花の心が輝いているようでした。近隣の墓地には大群生が見られ、その一部が墓石を這いよじ登っているものも見られました。カメラは向けたのですが、撮影したらいけないことのような気がしてやめました。

　ちょうど２カ月後になります。やはりお墓掃除のために承天寺さん参道を歩いていた時のことです。古くなったコンクリートの割れ目に溜まったわずかばかりの腐葉土の中に、〝マルバルコウ〟が発芽し、５、6０㎝ほどの蔓を伸ばしているのを見つけました。「何もこんな所で、今頃・・どこに行こうとしているの。」と思いましたが、いらぬお世話のような気もします。映像で撮影していると、なんだか〝マルバルコウ〟がブルブルッとふるえたような気がしました。こんな時には「もうすぐ冬ですよ」とだけ言って立ち去るしかないようです。

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今日の表紙絵   № 27     〝フキバッタ（蕗飛蝗）の仲間〟

                                                　 　　　　 　　2020.  11.  25　　また　もうすぐ冬ですよ

　11月20日、今年の花行動もそろそろ終わりに近づいてきたが、11月の『鯉が窪』は目にしておきたいものだと思い当地を訪れた時のことです。観察路、まもなく一号橋というあたりでヤマウルシの紅葉を観察していた時、一匹のバッタが葉に止まっている（写真）のを見つけました。近づいて見ると翅（はね）がなく、カメラを近づけても逃げようともせずじっとしているのです。「なんだこの子、羽がとれちゃってるじゃないか。」「寒くて動けないのかな。」と。しかし、このバッタに対する私の興味関心はここまでで途切れていました。先日の〝マルバルコウ〟のことを思い出し、「もうすぐ冬ですよ」と声をかけてその場を立ち去りました。この日の観察では、キク科の花やガマズミ属、ツルリンドウ、イヌツゲの赤い果実が存在感を示していたものの、あたりは晩秋の装いに包まれる中、風景の撮影が主なものとなった足早の観察になっていました。

　翌日、写真の整理や編集準備などをしていて、編集するのにこのバッタの名前くらい知らなければと調べてみました。そして、次のようなことが分かりました。

（１）バッタ科フキバッタ亜科で、調べて分かっただけの範囲でいうと日本全土でそれぞれに分散し、少なくとも  11属多数種あるが、どれも個体数は少ない。

（２）フキバッタの特徴は、翅（はね）が小さく退化している（とれちゃっているのではない）ため、飛び跳ねることは出来るが、飛翔することはできない。つまり移動能力に乏しく各地域で分化が進んでいる。

（３）多くのバッタ類の食草は単子葉植物（イネ科など）であるが、フキバッタは双子葉植物である。つまりフキバッタの「フキ」は「蕗」のことで、しかもフキ以外の双子葉も多くが食草になっている。

（４）小さく退化した翅の大きさや形など、写真の見た目だけの比較によれば、〝ミカドフキバッタ〟に似るが、それは分布域が東北地方日本海側となっているため違うだろうし、長野県から岡山県にかけて分布する〝ダイリフキバッタ〟は翅の形状が異なるので確かな同定にまでは至らない。雌雄の違いまで含めれば、余計に頭がこんがらがってしまう。

（５）しかし、各地で分化されていることと、岡山県鯉が窪で出会ったことを考慮し〝ダイリフキバッタ〟だろうと推定して調べてみると、➀定期的に野焼きや草刈りなどが行われる里山・里地の環境で生活する生き物で、現在その環境も減少の傾向にあり絶滅の危機に瀕している、➁他のフキバッタ類と比べて陽当たりのよい場所を好む、➂あまり積極的に逃げようとはせず、葉の裏に回り込んで隠れようとする、➃フキバッタ亜科にあって一属一種で、成虫は夏期に見られる。➄幼虫と成虫は地上で生活するが、卵は浅い地中に産みつけられる。 交尾を終えたメスは、地中に腹部を差しこんで産卵する。

などと知ることが出来ました。

　調べて分かったことが増えてくると、このフキバッタのことがだんだん身近なものに感じられるようになって嬉しくなります。しかし、分かっていっそう気になるようになったことは「成虫は夏期に」ということです。「それであの子はどうしただろう」と気になって仕方がありません。

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今日の表紙絵   № 28     〝マンリョウ（万両）〟

                                                　 　　　　　　　 　　2020.  12.  05　　縁起物に囲まれても

　マンリョウは、サクラソウ科（←ヤブコウジ科）ヤブコウジ属の常緑の小低木で、林内や林縁の日差しがあまり強くない所に生育します。花期は７～８月頃で、枝先に淡紅色がかった白色の小さな花を咲かせます。よく見ると可憐な感じで美しい花なのですが、あまりめだたないこともあってか話題にならないことが多いようです。果実は、10月頃から赤く熟し翌年の2月頃まで枝に残ります。それが美しいので栽培もされています。特に、名前が万両とめでたいので、センリョウ（千両）などと共にお正月の縁起物とされています。