岡山県 王子が岳
2022.04.09
コバノミツバツツジを楽しむ
表紙絵 〝コバノミツバツツジ〟
葉は長さ1.2〜2.5㎝の針状で、3輪生する。先は尖り、さわると痛い。(実際に鼠の通り道に置いて被害防止に役立てたとか。)雌雄異株。花が黄褐色なので雄花と思われるが、意識して細かく観察(撮影)していないのが残念。
海岸や岩場に多く、しばしば密生する。暖地では海岸林の重要な構成樹種の一つである。 また乾燥や刈り込みに強いことから街路樹などとしてもよく使わる。その材は密で硬く、備長炭の材料となることでよく知られている。写真は新芽・新葉。
枝先に朱色の花を2〜3個付ける。花冠は径4〜5㎝の漏斗形で5裂する。上側の裂片には濃色の斑点がある。花筒の内面は有毛。雄しべは5個、花糸の下半部に粒状の毛がある。花柱は無毛、子房には長毛が密生。
雌雄異株の蔓性の落葉半低木。花期は4~7月。新葉とともに葉腋より花茎を出して、散形花序を伸ばし、淡黄緑色の多数の小花が集まって咲く。
6枚の花被片は先端が反り返る。雄花には雄しべが6本、雌しべには子房が3室・柱頭が3本ある。写真はいずれも雄株の雄花。
本州、四国、九州に分布。海岸に多く自生し往々にして海岸の岩頭にある。北海道では海岸や道路沿いには植林されており自生化が見られる。葉は濃い緑色で太くて固く、針葉は二葉。花期は4~5月で、新枝の基部に多数の雄花が付き、枝の先端には雌しべがが重なり合った紅紫色の雌花が付く。雌花は翌年の秋に球果(松ぼっくり)となる。
026-1 コバノミツバツツジ .mp4 同定の自信度で言えば【★★☆☆☆】くらいだろうか。コバノミツバツツジと見え隠れする瀬戸内海の景色を楽しみながら歩いていると、なんでもかんでも、なんとなく撮影して通り過ぎてしまう。後で同定する時に困ってしまう。
最初に、樹皮が灰(紫・暗)褐色で横に長い皮目が見られ、花と新葉(芽)が同時に展開されていることから〝ヤマザクラ〟かと思っていたが、➀ヤマザクラの新葉(芽)はふつう赤~茶色を帯び、ごくまれに黄~緑色のこともある、➁花期は3下~4月で暖地の海岸沿いでは花の盛期は過ぎているであろうことから、ヤマザクラではないと考えた。それで、➀花と葉はほぼ同時に展開するが、花は白色、葉は早い時期から緑色を帯びる。➁花期は4~5月で同じ場所ではヤマザクラよりかなり遅いことから、同じヤマザクラ系統のカスミザクラではないかと推定した。本来なら、葉、花、萼、苞等の細かい観察が必要である。
オーストラリアにおもに分布する。世界各地で移植・栽培されている。ユーカリには500種類もあり、変種も含めると800から1000もの種類になる。
当地にあるもの(写真)が本当にユーカリでよいのかどうかも含めて不明。Internetで調べた範囲では、関連した記述として一点だけ掲載されていた。
ふつう沿岸~山地の照葉樹林帯に広く分布するが、降水量の少ない沿岸地帯では個体数が少ないことがある。
当地のように植生の貧化が激しく草本類も育ちにくく土壌の薄い乾燥した場所では、十分には生育できないようである。
個体差による多少の濃淡はあるが、淡紅色の花がびっしりと咲く。
登山口から山頂付近まで途切れることもなく、〝コバノミツバツツジ〟が咲いている。
山頂付近。この個体は、全体に透明感があって花色も濃く、花弁の中心部に向かってさらに濃い色に染まっている。今までのものとは少し異なる。雄しべは不完全なものも含めて10本あり、葉の形もコバノミツバツツジと変わらない。